シンガポールの消費税 Goods and Services Tax (GST)
1. GSTの概要
シンガポールでは、GST登録業者はGST監督官に対して申告書 ("GST F5"と呼ばれます)の提出が要求されています。申告の記載内容は、会計期間内に行われたシンガポール国内での売上高、輸出取引、GST登録業者からの購入等の課税対象取引の合計金額と、係る合計金額についての受取消費税、支払消費税の額になります。
この申告はe-Filingと呼ばれる電子申告が利用でき、簡易、迅速かつコストフリーで行うとができます。
2. GSTの会計期間: Accounting Period
GSTを申告する上での基準期間は、会計期間(Accounting Period)と呼ばれます。標準会計期間は3ヶ月であり、1ヶ月または6ヶ月を採用したい場合には、GST監督官の承認が必要となります。
GST登録をする場合、特に申請をしなければ自動的に3ヶ月の会計期間が登録されます。
3ヶ月の標準会計期間には、以下のように3つのサイクルがあります。
企業の”財務諸表作成上の会計期間”が12月31日を決算日としている場合には、通常上記3番目のThird cycleでGSTの申告を行うことになります。
3. 申告期限: Due Date for a GST return
GST登録業者は、上記2の会計期間終了後1月以内にIRASに対してGST申告書を提出しなければなりません。
例えば、2012年1月1日から3月31日までの会計期間の申告書は、2012年4月30日までに提出することになります。また、会計期間内に課税対象取引が一切なかった場合であっても、”Nil(ゼロ)”申告を提出することが要求されています。
4. 課税対象取引にかかる税率: Tax rates
現行のGSTの課税対象取引に対する税率は、2種類あります。
標準税率 : 7% ほとんどの課税対象取引に適用される税率
ゼロ税率(免税): 0% 輸出取引、国際間取引
対象外 : N/A 非事業の取引、第三国間取引、ZERO GST倉庫内の売買取引
5. 非課税取引: Exempy supplies
GSTの非課税となる取引には、居住用財産の取得及びリース取引や資金融資や株式・社債の発行、保険契約、為替・先物などの金融取引等、一定のものがあります
非課税取引の一覧のリンク
http://www.iras.gov.sg/irasHome/page04.aspx?id=2002
6. GSTに関する証憑: Tax Invoice & Credit Note
GST登録業者は、顧客からGSTを受取る際、”Tax Invoice”呼ばれるGSTの計算明細書を発行します。また、GSTの計算に誤りがあった場合や、売上の返品、値引きなどの場合には、”Credit Note"と呼ばれる書類を作成し取引相手に発行します。
7. 自己宛請求: Self-Billing
GST登録業者間の取引の場合には、自己宛請求(Self-Billing)として顧客(カスタマー)自身がサプライヤーの代わりにTax Invoiceを作成して、これをサプライヤーに渡すといった調整がされることがあります。
この場合、Self-Billingをするカスタマーは、一定の条件を満たす必要があります。
Self-Billingの条件のリンク先
8. サービス提供地
GSTの課税対象となるのは、シンガポール国内で行われた(ZERO Rate Warehouseを除く)取引に限られます。
よって、商品又はサービスの提供がシンガポール国外で行われる場合にはGSTは課されず、シンガポール国内に輸入されるとにき、税関(Customs)によって輸入消費税)が課税・徴収されることになります(特例措置の適用がある場合を除く)。