居住者(Tax Resident)に係る税務の概要
個人所得税は暦年課税ですので、課税期間は1月1日から12月31日となります。
以下、申告スケジュールや課税所得の範囲についての概略をご説明します。
1. 申告スケジュール(YA2012のケース)
2012年2月末 IRASよりForm B1 (個人所得税申告書、個人事業主の場合はForm B)が
各納税者に送付される。会社(雇用主)はForm IR8A(年間給与支払明細
書、e-filingの場合はForm IR8E)を作成して従業員に交付する 。
2012年4月15日 Form B1を提出する(但し、e-filingを利用している場合には、
4月18日まで提出期限が延長される )。
Form B/B1をe-file送信し問題なく受信されると、IRASからの確認状が届
く。e-fileを利用するためにはSingPass又はIRAS PIN番号が必要となる。
個人所得税の電子申告制度は2011年3月より開始されており、myTax
Portal(https://mytax.iras.gov.sg/)を通じて利用可能となる。
注)上記の提出期限に間に合わないことが予想される場合、3月31日まで
に、納税者の氏名、納税者番号、期限に遅れる理由を記載した情報をe-
mail又はFAXにてIRASに連絡する必要がある。
2012年9月ごろ IRASからNotice of Assessment(賦課決定通知書)が送られてくる。
当該決定通知日か1月以内に納税を完了する。
還付金額が記載されている場合には、納税が還付請求することなしに自動
的にIRASから所定の口座に還付される(還付加算金(利息)が付加されて
還付を受ける)。
GIRO(税金自動引き落とし)のサービスを利用することにより、最長12
ヶ月の分割納付(利息なし)で納税を完了することができる。
2. 申告すべき所得
税務上の居住者として、以下の所得について納税義務が発生します。
注)シンガポール国外源泉所得でシンガポールに2004年1月1日以後に送金等されたものは免税となります。
3. Auto-Inclusion Scheme (AIS)
給与所得者について、その雇用主がAuto-Inclusion Schemeと呼ばれる給与支払明細の電子送付システムに加入している場合には、その給与所得者は給与所得のデータを申告書(Form B1)に記載する必要がありません。
4. No-Filing Service (NFS)
IRASより「申告不要サービス(No-Filing Service)の通知を受けた給与所得者である納税者は、申告書を提出する必要がなくなります(給与所得発生初年度を除く)。
これは、給与所得者の雇用主が上記3のAISに加入して給与明細を当局に電子送付している場合には、所得控除項目が前年と同じであれば自動的に課税所得の計算が可能となるため、納税者の申告手続に係る事務負担を軽減しようと導入された制度です。
但し、給与所得以外の所得が発生している場合や、年度中に転職している場合、扶養者が増加して所得控除金額に変更があった場合などには、申告書にその内容を記載して提出する必要があります。
5. 給与明細書(IR8A)を申告期限までに入手できない場合
海外出張や一次帰国などの場合には、雇用主が作成して被雇用者(給与所得者)に通知する給与明細書(IR8A)の受け渡しが遅れ、結果として、給与所得者の所得税の期限内申告ができないといったケースがあります。
このような場合には、給与所得者は、見積もりの給与所得金額に基づいて期限内申告をしておき、後日IR8Aが入手された時点でIR8AをIRASに送付して差額を精算することになります。
6. 自動引き落としサービス(GIRO)の利用によるベネフィット
税金の支払いに便利な自動引き落としサービスはGIROと呼ばれています。このGIROを利用すると、最大12回の利息なしの分割払いで税金を納付することができるため、シンガポールの実務では利用率が非常に高いサービスです。GIROの申込用紙は、IRASのウェブサイトからダウンロードできます。
Last updated on Sep 13th 2012